SONYが日本語版PalmOSを搭載して販売したCLIEで実質モノクロモデルの最終版となったのがこのPEG-T400でした。
[no_toc]これ以降に発売されたCLIEは全てカラー液晶を搭載しています。また、T400は歴代CLIEの中では最も薄型でスリムなスタイルを持っていました。
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CLIE_T400の特徴
T400の主な特徴は、やはり薄型の本体だといって良いでしょう。アルミを使用したケースは当時としてはモダンな印象を受けたのを覚えています。
本体色はブラックのほかにシルバーがあります。
ソニーが誇るジョグダイヤル
左横にはSONY製品のシンボルとも言えるジョグダイヤルが装備されています。このバックボタン付きのジョグダイヤルはこのTシリーズのものが一番操作性が優れているようにも感じます。
CLIEの終盤のモデルになってくるとこのジョグダイヤルの配置に様々な思考が凝られれていますが、いささか迷走しているといった印象を受けた記憶があります。
メモリースティックスロット
ソニー製品におなじみのメモリースティックスロットはT400にも当然搭載されています。
本体上部のスロットの隣にあるのは赤外線ポートになります。
またその他の大きな特徴として、Tシリーズではクレイドル置く際や充電するときの接続インターフェイスがこれまでのものと違い形状が変更になっています。
仕様
CLIE_T400の主なスペックは次の通りです。
- OS:Palm OS 4.1日本語版
- CPU:Dragonball VZ-33MHz
- 大きさ:タテ118(mm)×ヨコ71.8(mm)×厚さ9.9(mm)
- 重量:122(g)
- メモリー:8MB(RAM)/8MB(ROM)
- 電源:リチウムポリマーバッテリー
モノクロ液晶搭載のT400は同じシリーズのカラーモデルだったT600に比べバッテリーの持続時間が長いというメリットがあります。
なお、カラーモデルのT600Cは12.5mmと数ミリ厚みが増すデザインでした。当時の雑誌などの紹介記事には、T400の9.9mmの厚さを「1cmを切る薄さ」と讃えていました。
このT400(T600C)は輪郭だけを見れば少し前のスマホの大きさと変わりないような感じがします。
T400の使用感
薄型でスタイリッシュなT400は兄弟機のカラー液晶モデルのT600Cとならんで、まさに手のひらに収まるモバイルデバイスとして握りやすい形でもありました。
唯一これさえなければと個人的に気になったのが、Tシリーズのアルミボディにサンドブラスト処理を施したような触り心地が苦手でした。
スベスベでもツルツルでもない独特の仕上げ感が冬の寒い時期には金属の冷たさと合わさり不快だったのを覚えています。
気になったのは、その触り心地くらいでPalmデバイスとしての完成度は完ぺきだったと言えます。
PEG-T400、T600Cの完成度
T400よりも後に登場するCLIEはカメラ機能や描画機能などのクオリティーに拘り過ぎてビジネス用途の域を完全に超えていました。
当時のガサばるノートPCの代わりに必要な情報だけを持ち歩く上では充分な性能を持っていたCLIE_T400は今でもメモ帳代わりに持ち歩きたいデバイスの一つです。
レビューなどでもあまり見かけない意見であるとは思いますが、このモノクロ液晶の画面は目に刺激が少なく当時の雑なカラー液晶よりも視認性が格段に良く感じました。
この時代にモバイル機器の多くがカラー表示に移行していく中で、わざわざ白黒表示が見やすくて良いなどという評価を広めること自体がナンセンスだったことでしょう。
いずれにしても、PalmOSを搭載したPDAを持ち歩くメリットを十二分に享受できるハンドヘルドマシンとしてT400はとても優秀な製品だったと言えます。