数多くのモデルを世に送り込んだCLIEの中でも特にハードウェアキーボードを意識した設計と思われるのがこのPEG-TG50です。
[no_toc]キーボード搭載CLIEの中では最薄だったと記憶しています。
スリムなケースへキーボードを搭載したTG50
キーボード搭載クリエの多くは折り畳み式のスタイルであり、回転が可能な液晶パネルは独立していて本体側にキーボードを配置しています。
それらとは異なり折り畳み機構を持たず、あえて液晶サイズを押さえ本体にキーボードを組み込んだモデルがTG-50でした。
本体の上部には各種のLEDランプが格好良く並んでいます。
本体の左側にはジョグダイヤルとバックボタン、スライド式の電源ボタンなどが配置されています。
本体裏にはスピーカーが埋め込まれ、中央付近にはMAGICGATEの文字。
本体下にはクリエ共通のHotSync用のインターフェイスコネクタがあります。
アルミ製のカバーの表面は粗めの削りだしのようなデザインですが、このカバーを閉じたときの見た目が高級感を演出していてTG50がビジネス向けのモデルであったことを強調しています。
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PEG-TG50の仕様
TG-50の主なスペックは次の通り。
- OS:PalmOS5.0日本語版
- CPU:XScalePXA250(200MHz)
- 大きさ:タテ126(mm)×ヨコ71.6(mm)×厚さ16.2(mm)
- 重量:184(g)
- メモリー:16MB(RAM)/16MB(ROM)
- 電源:リチウムイオンポリマーバッテリー
CPUにはNZ90と同じXScalePXA250が採用されているようです。NX73のPXA263とは型番が異なりますが動作周波数は同じ200MHzでした。
なお、カメラ搭載機のNX73はROMが32MBとTG50の倍積まれています。
Bluetooth搭載
PEG-TG50にはBluetooth機能が搭載されているのが大きな売りでした。
TG50の上部にはメモリースティックスロットの横に、大きなBluetooth用ランプがあります。
今となってはやや大げさな仕様ですね。
当時、個人的にはWifi機能の方を付けて欲しかったと思っていましたが、この世代ではまだ無線LANを本体には内蔵できていません。
Bluetoothを搭載に外部端末との通信機能を強化したことは、TG50がクリエの中でもエンターテイメントよりビジネスを重視した仕様であったと言えるでしょう。
キーボードあり薄型クリエの使用感
このTG50が登場したときに思ったのが、これだけ操作ボタンが多ければスタイラスなしで仕様が可能ではないかということでした。
実際には、文字入力の際のカーソル位置の指定などどうしてもスタイラスが必要になる場面があったのが正直なところですが、Palm端末自体がスタイラス依存の高い機器だったので仕方ありません。
時代はまだガラケーが主流だったころですし、いずれにしろキーボードの操作感を望むユーザーにとってはありがたいモデルであったことでしょう。
そして、キーボードに限らず多くのハードウェアボタンを搭載している点ではTG50はクリエの中でも独自色の強いモデルであったと言えます。