物理キーボード搭載を貫いてきたZaurusの中でも異色の縦でスタイリッシュなモデルが存在しました。
[no_toc]OSにLinjuxを搭載しキーボードレスのボディーを身にまとったSL-A300です。
Zaurusらしからぬスリムデザイン
PDAがもてはやされた時代に、私の頭の中は大は小を兼ねるより、「小は大より快適」といった理論で満たされていました。
このZaurusSL-A300は、クリエのT600やT400シリーズにも匹敵するコンパクトなボディーで、操作性よりも携帯性を重視したものと思われます。
正面から見るとPalmデバイスに似たような見た目です。
本体の右側にはボタン類はありません。横から見るとボディーが薄型になっているのがわかります。
従来のZaurusからキーボードを切り捨てたスタイルがこれだというわけですね。
左側には、電源ボタンと赤外線ポートが配置されています。
裏側にはスピーカーとリセットボタンの穴のほか、オプションを装着するための凹みのようなものが存在します。
SL-A300が持つメディアスロットはSDカードスロットのみで、従来のZaurusが標準搭載していたCFスロットは、そのままでは使えない仕様です。
本体の下には、IOポートがあり充電のときもこのコネクタを使用します。
SL-A300の仕様
小型Zaurusの主な仕様は次の通り。
大きさと重量はいずれもカバー無しの状態です。
- OS:Linux
- CPU:Intel_XScale_PXA210,200MHz
- 大きさ:タテ113.0(mm)×ヨコ69.4(mm)×厚さ12.5(mm)
- 重量:120(g)
- メモリー:64MB(RAM)/16MB(ROM)
- 電源:リチウムイオン充電地
使用時間は、明るさ最大で連続表示4時間となっていて、実際にはあまり持ちが良くない印象でした。
縦型キーボードレスZaurusの使用感
正直、所有してきたPDAの中で、SL-A300ほど実用的に持ち歩かなかった端末はありません。
というより実用度外視でこの小さなボディーの中でLINUX_OSが稼働している事実とそれを握りしめることができることに心躍った次第です。
現在でもLINUXを動かすことができる小型端末にRaspberryPiという汎用の小型基盤がありますが、SL-A300はバッテリーもモニタも搭載してこの小ささです。
もちろんビジネス用とで持ち歩いていた方もいらっしゃったと思いますが、自分としては存在自体がありがたいモデルだったのは間違いありません。