もし目の前に1000円のノートパソコンが売っていたら、ほとんどの人はどうせ役にたたない品だろうと思うことでしょう。
それが、私の場合は逆に興味を持って見入ってしまうほうです。さすがに1000円ではジャンクの程度が気になりますが、ノートPCの税込み1080円はレアなんですよね。
MSIのネットブック「U123」そのワケアリ度は
今回見つけてしまった税込み1080円PCはギリギリWindows10が動きそうなスペックで、しかも買って持ち帰っても場所をとらないネットブックときました。起動しなかった場合でも心的ダメージは少ないものと判断できます。
そんなことで、ジャンク1000円PCの購入を決断するのに時間はかかりませんでした。
さすがに1000円PCにはACアダプタは付属せず、家に帰ってから手持ちの電圧が適合するものでPCを起動してみます(1000円なのでこんな対応)。
本体の起動後にジャンク理由がすぐ判明しました。
このパソコンCPUクーラーのファンから結構な異音がします。
電源投入直後にガラガラとかなり耳障りな音がして、10数秒後には治まるのですが、ネットブックなのにモバイル用途として人前では使えないレベルです。
1000円なので捨ててしまっても良いのですが、せっかくなので遊んでみることにしました。
形が同じCPUクーラーを購入
ネットで代替物を探しCPUクーラーの交換に挑戦してみることにします。
国産メーカーやLenovoなどのメジャーなメーカーのノートパソコン用ファンは結構出回っていますが、MSIなどはオークションでも形が同じ物を見つけることができません。
よくあるタイプのCPUファンですが全く同じ物は海外サイトにあるだけです。
中身の黒いファンそのものもよく見ると独特の形状です。
一度諦めてから数日後に再度ネットオークションで検索してみたら、MSIのノートPC用が出品されているのを発見し迷わず落札。
届いてから実物を見て気づいたのが、「ちょっと厚みが足りないかな?」ということでした。
ねじ穴の位置などは、ピッタリのようですが届いたCPUクーラーは明らかに薄いです。ノギスで計ってみると約6mm(6.2~3mmくらい)。
形的には装着可能と判断しますが排熱が充分できるか心配です。
U123のCPUクーラー交換
やや不安要素はありますが所詮ジャンク1000円PCですし、今のままでは起動時にうるさくて使えませんので入手したCPUクーラーへ交換することにします。
新しいほうに貼ってある青いナイロンシートは貼ったまま使おうと思います。ほぼ影響は無いでしょう。
取り外した方のクーラーは約8mmあります。おおよそ2mmの差は冷却に影響がでるのは明らかと思われますが、仕事用ってわけでもないので割り切ります。
装着を完了しコネクタを刺してみるとピッタリです。
外したPCの裏蓋を元に戻し、電源ボタンを押して起動してみます。
すると、今度はファンが回っているのかどうなのか分からないほど静かです。
動いているか心配になって耳を近づけてみるとハードディスクの音のほうが聞こえてきます(さすがの経年劣化ドライブ)。
戸惑いながら横に手を当てていると、温度の上昇を感知したのか弱々しい風が出てきました。
頼りないながらも機能は果たしているようです。
さて、修理自体も訳ありになってしまったこのパソコンですが、こんな状態ですので最終的な用途はネット閲覧専用Linuxマシンになりそうです。
パーツへのアクセスが簡単なU123
手間をかけて、並以下の状態にしか戻らなかった1000円ジャンクPCではありますが、実はこのPCには関心した部分があります。
通常、機能拡張のために交換したいHDDとメモリへのアクセスがしやすい設計になっていて、これはモバイルノートとしては珍しくオールインワンノートなみのメンテナンス性でした。
普通のネットブックならHDDの換装でも全バラしが必要だったりしますが、この「U123」は背面のパネルを外せば事足ります。しかもマウントコネクタなしで直差しなのは嬉しい仕様。
メモリは、今回同時に交換済みで既に2GBになっていますが、HDDの交換が容易であることからOSの動作テストやSSDへの換装などには、作業性がよく重宝するノートパソコンであると言えます。