PDAとしては大きめの本体であるCASSIOPEIA_E-750はカシオが本気で作ったPDAと言える機種です。
[no_toc]E-750が登場した頃は、ノートパソコンも薄型というのが殆どなくこのモデルが持つPocketPCというスタイルはガジェット好きには画期的なものでした。
カシオの本格PDA_E-750
CASSIOPEIA_E-750はカシオのPocketPCの中でも高スペックなモデルだったと記憶しています。
濃いグレーを基調にしたデザインも当時としてはとてもモダンなもので次世代の小型PCと呼ぶのに相応しいものでした。
本体正面には画面下に4つのハードウェアボタンが並んでいます。
左側側面には電源ボタンと録音用のボタンに加え、なんとWindowsボタンに加え操作レバーと赤外線ポートとハードウェアボタンが満載。
さすがCASIOが誇るWindowsCEマシンの王様。
右側面にはスタイラスが見えるほか装備はありません。
本体上のCFスロットにはCFタイプのPHS通信カード(DDIポケットなどが販売)が挿入可能になっています。
本体の下には、パソコンとの接続に使う通信ケーブルのコネクタ挿入口とACアダプタ用のジャックが配置されています。
E-750の製品仕様
PocketPC_E-750のスペックは次の通り。
- OS:WindowsCE
- CPU:VR4131
- 大きさ:タテ132.2(mm)×ヨコ83.6(mm)×厚さ20.0(mm)
- 重量:250(g)
- メモリー:32MB(RAM)/32MB(ROM)
- 電源:リチウムイオン充電地 ※バックアップ用にボタン電池が必要
このモデルの発売時期にはまだBluetoothは普及し始めていなかったころで、PDA全盛期のWinCE端末にはE-750も含めほとんど採用されていません。
メモリ容量は、後に登場したBE-500の倍の容量を搭載し当時の機器としては操作性は上位レベルと言えます。
WinCE機E-750の完成度
カシオペアE-750は通信カードを使えば、メール、インターネットが可能で、モバイル向けではあるもののWord、Excelのソフトも内蔵されていて簡単な情報管理は可能という万能モバイル機器です。
カラー液晶もTFTを搭載していて視認性も抜群でした、搭載するランチャーもWindowsらしいUIデザイン。
評価できる点は、WinCE機だけにCFスロットを使ってWifi通信が可能でその設定も分かりやすいものでした。
SONYのクリエがエンターテイメント性に注力していたのに対し、カシオペアも動画再生などの機能は備えていました。
ただ、こうしたモバイル機器を使う人は外での通信手段の確保を重視している人が多いのではないかと当時疑っていました。
動画などを外で見るのは、なんだか落ち着かないような気がします。
端末の選定に通信手段を重視するのならば、初期のPalmOS機よりこちらのE-750に軍配が上がります。
そんな、モバイラーにとって十分な環境を与えてくれるのがE-750のようなWinCE機だったことでしょう。
もちろん、シャープのザウルスも有効な選択肢の一つにはなっていたのは事実ですし、Palm端末にもガラケーと接続するケーブルは存在しました。
それから、カシオペアE-750はサードパーティー製のCFスロットに対応したGPSアダプタが存在しました。
SONYのMSスロット用よりこちらの方が先に発売されていたと思ったのですが今となっては定かではありません。
このCF用GPSアダプタをE-750で使用すれば簡易のカーナビとして使用する使い方ができました。
当時、カーナビゲーションはとても高価で、WinCE機では必要範囲の地図を予めPCから転送するなど難易度の高い操作が必要でしたが、ガジェット好きの私には心躍る装備品だったものです。
今となっては、ここまで書き連ねた機能は薄っぺらなスマホが驚くほど高性能にこなしてくれますが、E-750を含め当時の最先端PDAがたどってきた技術の集大成がそこに組み込まれているのは事実でしょう。